【ゴルフ上達マップ07】スイングの最下点~「ボールを打ちにいってはイケない!」の正体

一生楽しむゴルフの基礎講座~通称・いちごる!がお送りする、ゴルフ上達の道しるべ第7弾。

前回、前々回とゴルフ上達マップに関連した、練習ドリルの紹介を行いましたが、今回は再び上達マップの本筋に戻ります。今回のテーマは「スイングの最下点」について。

この「スイングの最下点」の考え方をもっておくと、ノーマルなライの状況でのナイスショットの再現性が高まるだけでなく、これまでバラバラに考えていたかもしれない、バンカーショットの打ち方や傾斜の打ち方、ラフの打ち方などのゴルフの知識を、シンプルに整理することができるかと思います。

この考え方の重要性を知るきっかけとなった石川遼プロのYouTubeでの解説動画もアタッチしているので、ぜひご覧ください!

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ゴルフはボールを打ちにいってはイケない特殊なスポーツ?!

ゴルフの教えの一つで「ボールを打ちにいかないで!」ということを聞いた方も多いのではないでしょうか。

いちゴルのレッスンでも、受講生には、一番初めのレッスンの冒頭で、次のことをお伝えしています。

<いちゴルレッスンで最初にお伝えすること>

「今日はスイングのポイントをいくつかお伝えすることになりますが、それを試してもらう過程で、ミスショットや空振りをすることがあるかもしれません。ですが、ゴルフはクラブヘッドをボールに当てようとすればするほど、ボールに当たらないスポーツです。なので、『クラブをボールに当てよう』とは思わないでください。」


ゴルフはクラブでボールを打って飛ばすスポーツなので、このアドバイスはどこか矛盾しているようにも聞こえます。

ただ、ここにゴルフスイング、もしくはゴルフというスポーツの本質的な要素が含まれています。

というのも、以前にも投稿で記載しましたが、ゴルフは打つべき対象のボールは止まっています。

道具でボールを打つスポーツ(打撃系のスポーツ)は他にもありますが、ゴルフはこの「ボールが止まっている」という点において、他の打撃系スポーツとは決定的に性質が異なります。

他のスポーツ( 例えば、テニスや野球のバッティング)においては、対戦相手がこちらがボールを打ちにくいように、様々な技を繰り出してきます。

テニスで言えば、強烈なサーブや、ドロップショット、コーナーを突くリターンなど。野球のバッティングで言えば、ピッチャーは快速球を投げてくるかもしれませんし、鋭い変化球やタイミングをズラすチェンジアップをストライクゾーンのコーナーいっぱい目がけて投げ込んできます。

これに対応するには、こちら側はそれを「打ちに」いかなければ打てません。

したがって、これらのスポーツでは向かってくるボールにタイミングを合わせたり、素早く打ち返せる位置まで向かっていかなければなりません。

一方ゴルフはというと、先ほども記載した通り、ボールは止まっています。タイミングをボールに合わせる必要もなければ、最初にきちっとアドレスできればボールが逃げることもありません。


自分のリズムで素振りをしてみて、アドレスでクラブをセットした辺りをクラブが通過するスイングができれば、あとは目を閉じてでもボールはミートできます

そして、「目を閉じても打てる」というのは、僕のレッスンでも、時にクラブを初めて握った方に対しても実践してもらうことがあります。そして、実際にうまくいくことも多いのです。

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ゴルフ「スイング」の本質①と「スイングの最下点」

上述の通りゴルフは目を閉じてでも打てるものではあるのですが、独学でやっていたり、自主練でコーチなしにボールを打つ場合には、様々な不安や邪念などから、うまくいかないことも多いです(できるはずのことができない)

また「言っていることは何となくわかるけれど、まだ『ボールを打ちにいってはいけない』の意味が腑に落ちない」という方も多いかもしれません。

次に、これをこれまで紹介してきた、ゴルフスイングの本質との関係で説明し、その上で既に紹介した3連続素振りとの関連についてご紹介します。

【上達マップ02】ゴルフスイングの本質①(☞LINK)においてスイングの本質を遠心力と地面からのエネルギー」として説明しました。

このうち、「遠心力」の部分に着目すると、「遠心力が働いている」ということの前提には、その物体が「円運動」もしくは「振り子運動」をしている、ということが言えます。

そして、円運動や振り子運動をしている物体は、その軌道が円弧を描いているため、「最下点」が存在するということが言えます。

要は、安定したスイングは、スイングの最下点が毎回同じ付近にできるため、そのあたりにボールがあれば、再現性高く、ナイスショットが打てるようになるはずです。

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3連続素振りと「スイングの最下点」

では、どのようにしたら、「最下点が毎回安定したスイング」が出来るようになるのでしょうか。

そのために重要なドリルが、前回紹介した【上達マップ06】3連続素振り(☞LINK)なのです。

スイングの最下点を安定させるための素振りとして、なぜ「通常の1スイングするだけの素振り」ではなく、3連続素振り(もしくは連続素振り)が大事なのでしょう?

それは、1回だけのスイングの素振りだと、やはりどうしても「打ちにいく」動作が生じやすいからです。

素振りをする意識でスイングを始めたとしても、どうしても「マット上のボールが本来置かれる付近を擦りたい/擦らなければならない」という意識が働く結果、上半身を器用に使って、マットをこすりにいく動きが出やすいモノです。

連続素振りの場合は、この意識をある程度取り除くことが出来ます。

ポイントは、「1回や2回マットをこすれなかったり、強くダフってしまったとしても、気にしないこと」です。

本来は、タイミングよくスイングできれば、スイングの最下点は、アドレスでセットした時の位置に戻ってくる(マットをこすれる)ものです。焦ったり、「あるべき」を意識しすぎるのは、望ましくない「手打ち」を誘発してしまうので注意しましょう。

連続素振りのクオリティが上がってくると、左側に振るときも右側に振り戻すときも、ほぼ地面の同じ位置を通過するようになります。

これができるようになれば、あとはボールをその付近にセットしさえすれば、毎回同じようにナイスショットできるはずです。

もしもボールをうまく打てないのであれば、素振り通りに振れていないか、スイングの最下点付近にボールを置けていないかのどちらかになります。

いちゴルの実際のレッスンでも、受講生に伝えていることの根幹はこれだけです。

①3連続素振りをしてもらい、スイングの最下点を確認、そこにボールを置く
②あとは、素振りと同じリズムで、フィニッシュ静止が出来るスイングをしてもらう

多くの方は、バックスイングの上げ方や、トップの位置、ダウンスイングのクラブの軌道(シャフトは倒れているか?など)やインパクト付近の形(ハンドファーストになっているか?) などを気にしてスイングしているところをよく見かけます。

ですが、いちゴルのスタンスは、【上達マップ04】で記載した通り、「ナチュラルスイング(できるだけ、何も意識せず気持ちよく振ること)ありき」です。

ボールを打ってもらうときは、「今の素振り、よくできてますからね~。素振り通りに振れているかどうかに注意してスイングしてくださいね! 」という形で、レッスンを進めていますし、それで多くは解決しています。

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2022.02.14 追記 石川遼プロによる解説動画

今回の「スイングの最下点」の内容は、ある時石川遼プロのレッスン動画を見たときに、非常にクリアに説明されていた内容で、自分自身の技術の向上をする上でも、他の方にゴルフレッスンをしていく上でも、大きな進歩を遂げることができたコンテンツでした。

この投稿を作成した2021年4月時点では、YouTube上から一時期消去されていたのか、その存在を確認できなかったため紹介出来ておりませんでしたが、2021年11 月に再度アップロードされていることを発見しました!!

全3回ですが、個人的には最初の2回がおススメ(※)ですので、その2回の動画以下に挿入します。

ぜひご覧ください!

※3回目の動画も、もちろん正しいことをお伝えされていますが、スイングの「部分的な」話に及んでいるため、その「部分だけを意識」してスイングの改善を試みても、石川遼プロの発信されている、より重要なポイント(スイングの最下点や遠心力)が抜け落ちた練習になるおそれがありますので、ご覧になる場合にもこの点に注意してご覧いただければと思います。

「スイングの最下点」という観点でゴルフを考える~ バンカーショットも傾斜地の打ち方も本質的には同じ

さて、以上で説明してきた「スイングの最下点」ですが、この考え方はゴルフにおける他のシチュエーションにおいても適用可能な、応用の利く考え方であることが分かります。

これを、①「アイアンはダウンブロー/ドライバーはアッパーブローに打て」、②傾斜地(特につま先上がりとつま先下がり) 、③バンカーショットの打ち方の観点で説明します。

①ダウンブロー/アッパーブロー

ゴルフレッスンの古典的で有名なキーワードに、「アイアンはダウンブローに打て」という教えがあります。

これを、「スイングの最下点」という考え方をもって紐解くとどうなるでしょう。
これは、スイングの最下点の前後を考えれば仕組みが分かります。

つまり、スイングが円弧を描いているのであれば、最下点を迎える前にインパクトを迎えれば、下降軌道上でボールをとらえる(いわゆるダウンブロー)ことになり、最下点を過ぎたところでインパクトを迎えれば、クラブが上昇軌道になるところでボールをとらえる(いわゆるアッパーブロー)ことになります。

スイング自体に仮に問題点(例えば手首を返すのが早すぎて(=フリップ動作)、ハンドファーストが不十分)だとしても、基本的にはスイングは円弧を描いている以上、ダウンブローで打つためには、「ボールをセットする位置がスイングの最下点よりも、ボール半分から1個分飛球線後方」にあれば、それを実現できることになります。

それを、ダウンブローに打つ「ため」に、ハンドファーストを「意識」したり、打ち込む「意識」を強くしすぎたりすることで、 【上達マップ04のナチュラルスイングが崩されてしまっては、元も子もありません。

いちごるでは、「ダウンブローに打て」という表現は使わず、「スイングの最下点を連続素振りで確認したら、その最下点のボール1つ右側にボールをセットして、あとは素振り通り振ってください! 」とだけ伝えて、ナチュラルスイングを行いやすいアドバイスを心がけています。

また、補足になりますが、ドライバーについては、ティアップしていることや飛距離を重視する観点から、「アッパーブローに打て」といわれることがありあます。

この場合は、ボールをセットする位置が「スイングの最下点のボール1つ左」であれば準備完了になります。

②傾斜地(特につま先上がり/つま先下がり)

次に、傾斜地での対応について考えてみましょう。

傾斜の存在は、ラウンド特有のもので、「ラウンドで練習通りにいかないワケ」の一因となります。

傾斜の基本パターンとしては、つま先上がり/つま先下がり/左足上がり/左足下がり、の4パターンあるかと思います。

それぞれの対処方法や注意点については、別の回に譲りますが(以下リンク参照)、ここでは「スイングの最下点」との関連が深い、つま先上がり/つま先下がりについて考えてみることにします。

つま先上がり/つま先下がりの状況は、通常のライ(平地)と比較すると、ボールの位置が、空中(つま先上がり)もしくは地中(つま先下がり)にあるということになります。

この状況に対して、打つ側の対処としては、スイングの最下点をコントロールする必要があります。

つま先上がりでは、空中の(もしくはティアップされた)ボールを打つイメージに近いため、「スイングの最下点は上」になります。

このようにするためには、場合によっては、アドレスの膝の曲げ具合を浅くしたり、前傾姿勢の度合いを浅くしたりすることでセットアップで対応します。

逆に、つま先下がりの場合は、スイングの最下点が地中にあるようなものなので、「スイングの最下点はいつもより下」になります。

これに対応して、アドレスでの膝の曲げ具合を深くしたり、前傾姿勢の度合いを強くしたり、スタンス幅を広げたりする必要が出てきます。

なお、傾斜の4つの基本パターンにおける対処法については、以下の投稿をご覧ください

③バンカーショット

それでは、バンカーショット(グリーン周りのバンカーの場合)はどうでしょうか。バンカーショットの対応のまとめについても別の回(以下リンク参照)に譲りますが、「スイングの最下点」 にフォーカスすると、いわゆるエクスプロージョンで対応することになるので、「ボールをクリーンにヒットしない=スイングの最下点がボールよりも下」になるようにスイングする必要があります。

そうです。

スイングの最下点という考え方に立てば、その最下点が「通常よりも下」という意味では、②のつま先下がりも③バンカーショットも、スイングの本質は同じになります。

このように、「スイングの最下点をコントロールする」ことで、様々な状況に対応することが可能になります。

バンカー内でのスイングについては以下をご参照ください!

まとめ

以上みてきた通り、「スイングの最下点」は応用の利く考え方で、これまで別々に語られてきた、傾斜の打ち方や、バンカーの打ち方などはすべて、最下点のコントロールをすることだと理解することで、よりシンプルにゴルフを考えられるかと思います。


一方でこれらの前提には、そもそも「安定したスイングの最下点」がスイングに備わっている必要があります。


したがって、まずは傾斜などのない練習場で、ニュートラルな状況で「スイングの最下点の安定したスイング」を作り上げていくことが大切になってきます。

※以上の基礎を身に着けたうえで、「スイングの最下点のアジャスト技術」を向上させていくための練習方法はこちらで紹介しています。

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