【ゴルフ上達マップ02】
ゴルフ「スイング」の本質①~遠心力と地面からのエネルギー
Contents
はじめに
一生楽しむゴルフの基礎塾~通称・いちごる! がお送りする、ゴルフ上達の道しるべ第2弾。
これから3回にわたって、ゴルフ「スイング」の本質について説明します。
上達マップ01で紹介した通り、ゴルフ「スイング」の本質は、「再現性高くナイスショットを繰り出す」ための基礎になります。
まずは、基礎をコトバで、もしくは視覚的に理解してもらうことがこの3回の目指すところです。
頭で理解したからといってすぐにできるようにはならないのがゴルフの難しいところですが、目指すべきスイングの方向性を決める重要なポイントになりますので、ぜひ3回すべてご覧いただければと思います!
※いちゴル上達マップの概要については【いちゴル上達マップ01】をご覧ください。
今回のテーマは、“ゴルフ「スイング」の本質①”を紹介します。この本質①には2つの要素があり、プロや上級者のスイングには基本的にはこの2つの要素が含まれていることを紹介します。
要は、一般アマチュアゴルファーが習得すべき、「スイングの基礎」になります。
これを理解するために、まずは用語の説明とイメージの理解、その上で実際のスイングとの関連を確認し、最後にトップ選手の動きを確認するという形で説明を進めます。
「遠心力」と「地面からのエネルギー」
今回取り上げるのは、ゴルフ「スイング」の本質①「遠心力」と「地面からのエネルギー」についてです。
プロや上級者が取り入れている動きを観察すると、この2つが必ず見て取れます。
それはすなわち、手に持っているモノの先端(ゴルフスイングにおいてはゴルフクラブのヘッド)には「遠心力」が働いているという点と、それを加速させるのは腕や上体の力ではなく、「地面からのエネルギー(いわゆる地面反力)」だと言うことです。
「地面からのエネルギー」については、特に近年様々な表現で、その有効性が取り上げられています。例えば、GGスイングに代表されるように、「スクワットをする動作」を強調する理論や、バイオメカニクスの権威、Dr.クォン氏の「地面反力」を利用した理論などなど。
いちゴルでも同様に、理に適ったゴルフスイングには「地面からのエネルギー(=地面反力)」が重要な要素として含まれていると考えています。
では次に、このいちゴルで言うところの、「遠心力」と「地面からのエネルギー」の意味・イメージをお伝えします。
「遠心力」と「地面からのエネルギー」~ロープの動きを例にした説明
◆遠心力について
この言葉は、皆様もなんとなくイメージ・理解している言葉だと思います。ここでは、いちゴルで言うところの遠心力(※)のイメージをお伝えしておきます。
動画では、ロープを体の前で振り回している映像が流れています。
先端が円弧を描けている状態が、いちゴルで言う「遠心力が働いている」状態です。
もしも、ロープを回すスピードが極端に遅かったり(動画のNG1)、ロープの根本の動かし方が誤っていると(動画のNG2)、上手く円弧が描けません。
これが、「遠心力が働いていない」状態です。
※僕が伝えている「遠心力」と言う言葉は、ゴルフスイングを物理学的に説明する観点からは誤っているかもしれません。しかしながら、この観点ではより正確な用語かもしれない「向心力」というコトバを使うことはせず(そもそも筆者自身がそこまで物理学に明るくない)、受け手にとって、そのイメージと「いちゴル的な説明」が一致していれば良いと考えています。
◆地面からのエネルギー
次に、「地面からのエネルギー」です。
「地面からのエネルギー」は、上述した通り、近年の主要なゴルフスイングの理論では着目されている「地面反力」「床反力」といった用語と同じような意味合いで使っています。
地面反力は、簡単に言うと、「地面に対してかけている力」に対して、「地面から押し返される力」といえばおおよそ間違ってはいないと思っています。
また、地面反力は、何も特別な力ではなく、僕たちの日常生活で、僕たち自身が享受しているものです。
例えば、地面に「立っている」状態。これだけでも地面反力は発生しています。なぜなら、体重65キロの人が地面に対して与えている力(65キロの重み)と、同じ力で地面からエネルギーを受けているので、その人は立っていられるわけです(それがなかったら、沼地のように沈んでいってしまいます)。
ところで、上述の通り、ゴルフスイングの本質①の一要素は遠心力であり、それは動画にある通り、ロープを振り回して円弧を描いている状態でした。
さて、このロープの回転運動のスピードをさらに速くするにはどのようにしたら良いでしょうか。
方法は2つあります。
1つは、腕力(もしくは上体の力)で、一生懸命にロープを振り回す。もう1つの方法は、「地面からのエネルギー」を利用することです。
動画にある通り、ロープを振り回している動きの中で、腕や上体の力はそれほど変えなくても、屈伸運動をタイミングよく行うことで、そのロープの円運動は加速されます。
そして、お察しされているかもしれませんが、ゴルフスイングで活用したいのは、後者の原理なのです。
以上の通り、ゴルフスイングの本質1「遠心力」と「地面からのエネルギー」を、ロープを使って簡単にイメージしてもらうとしたら、以下となります。
- それを回転させる(遠心力)こと
- そしてそれにスピードを与えるのが、屈伸運動(地面からのエネルギー=屈伸運動)である
では、これらを実際のスイングに当てはめていきましょう。
ゴルフスイングへの当てはめ
さて、遠心力と地面からのエネルギー(=ゴルフスイングの本質①)について、そのコトバのイメージのためにロープを使った単純な動きとしての説明をしました。
これは、実際のゴルフスイングにおいてはどのように取り込まれているものでしょうか。
ここではプロの動画を見る前に、僕自身がロープを振っている動画でそれを確認してみてください。
動画を見ていただければわかるかと思いますが、手にしているのはゴルフクラブではなくロープではありますが、全体としての動きはゴルフスイングとほぼ同じであると思います。
こちらのロープの動き自体にも、どうやら「円運動の要素(遠心力が発生している)」があることが見て取れると思います。
また、よく見ると、切り返し前後の左足を見ると、「屈伸運動」が含まれています。
まさに、これがゴルフ「スイング」の本質1「遠心力」と「地面からのエネルギー」なのです。
トッププレーヤーのスイングとゴルフスイングの本質①
さて、以上のことを踏まえてトッププロのスイングを見ていただくと、彼らの動きには、より効率的な形でこれらの動きが含まれていることがわかるのではないでしょうか。
ここでは、ローリー・マキロイ選手の素晴らしいスイング動画のリンクを貼っておきますので、いちゴルでいうところの「遠心力」と「地面からのエネルギー」という観点から一流のスイングを確認いただければと思います。
ゴルフスイングの重要な基礎~スイングを作るうえで大切にしてほしいもの
ゴルフクラブを振るという行為(ゴルフスイング)が、本質的にこの「遠心力と地面からのエネルギー」を含んだものである点を理解することは非常に重要だと思います。
とりわけ最初のうちは、1つ目の「遠心力」が上達する上でポイントになります。
世の中には様々な理論がありますが、どのような理論に基づいてスイング作りをするにしても、理に適ったスイングには、間違いなくクラブヘッドの先端に遠心力が働いています。
ただこの点を理解しないで、形だけ理論的なスイングのように見せかけても、スイングの再現性は確保できず、「良い時もあれば悪い時もある」という状況に陥ります。
どのような理論を実践していくにしろ、ゴルフスイングは遠心力に地面からのエネルギーを加えてスイングしているという、“ゴルフスイングの本質”から脱線しないように注意する必要があるかと考えています。
一方で、スイングの本質①では「地面からのエネルギー=地面反力」を紹介しているものの、実際のレッスンでは、地面反力を強力に得るための特別な動き(例えば、スクワット動作)は、受講生には伝えていません。
地面反力を活用するための動作は、本来ナチュラルに取り込まれるべきものであり、クラブに働く遠心力を有効に活用できるスイングができてこそ意味をなすもの、と考えているからです。
地面反力を意識したスイングをした結果、上半身が力んでしまい、結果として遠心力を活用したスイングが崩れてしまった、では意味がありません。
いちゴルでは、「地面からのエネルギー」をできる限り無意識に活用できるように受講生に伝えています。
この点は、ゴルフスイングの本質②「歩きながら振るかのようなスイング」に関連してきます。
このスイングの本質②については、いちゴル上達マップ03(次回)にて紹介します。
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