【ゴルフ上達マップ11】いちゴルアプローチ3点セット

一生楽むゴルフの基礎講座~通称・いちごる!がお送りする、ゴルフ上達の道しるべ11回目。

いちゴルで最も大切にしていることは、「ナイスショットよりもナイススイングを!」という「形にこだわるのではない、ナチュラルなスイング(=ナイススイング)」を前提としたゴルフ。

前回は、アプローチにおけるナイススイングのポイントである「振り子の3要素」について紹介しました。

今回は、その振り子の3要素を効果的に身に着けていける大切な3つのドリル(いちごるではこれを、「いちごるアプローチ3点セット」と呼んでいます)を紹介します。

前回紹介した知識や連続素振りなどだけでも、ナイススイングに近づけますが、ゴルフスイングの本質の1つである「遠心力」を体でわかる(= コツをつかむ)ために、ぜひいちゴルアプローチ3点セットに取り組んでいただければと思います。

(初めていちゴル上達マップをご覧になられる方は、まずは「◆いちゴル上達マップの見方(☞LINK」をご覧ください。)

いちゴルアプローチ3点セットが導く先にあるもの

上図の上達マップでご覧いただける通り、ゴルフは2×2の本質を押さえたうえで、練習・ラウンドを進めていくのが上達の近道だ、というのがいちゴルの基本スタンスです。


2×2の1つに「遠心力と地面からのエネルギー」があります(☞【上達マップ02】

このうちの「遠心力」に着目すれば、「遠心力が生じている」ということは、円運動や振り子運動といった物理現象がその前提にあるといえます。 

アプローチのスイングの基礎は、この「振り子運動」にあるということが前回の内容でした(☞【上達マップ10】)

この「振り子の3要素」を体得していくために、いちゴルでは以下の3つの練習ドリルを紹介しています。

いちゴルアプローチ3点セット

①連続足踏み3球打ち

②右片手アプローチ

③左片手アプローチ

たったの3つだけですが、とても大切なドリルで、この3つのドリルだけでの平均90を切るレベルのアプローチの基礎を身につけることができると考えています。

「平均90を切る、ですか…。私は別にそこまで求めてなくて、まず100切りがしたいんですけど」
というお考えの方もいるかもしれません。

ですが、いちゴルでお伝えしているのは、「ゴルフスングであったり、ゴルフというスポーツの基礎」をお伝えしており、この基礎を体得すれば、自然とスコアは良くなり、いずれは平均90切りくらいのレベルに「なっちゃう」ものだと思っています。


なので110切りのためや100切りのための練習方法とかラウンド方法などというものはなく、ゴルフの基礎の完成(平均90切り)まで続く道のりの通過点として110や100というスコアがあるにすぎません。

基礎を完成させるためにいちゴルアプローチ3点セットに取り組み、徐々にコツをつかんでいくことでスイングの再現性が身に着き( あるいは、ミスの幅が小さくなり)、いつのまにか110を切り、100を切れるレベルの技術が身に付くものです。

連続足踏み3球打ち

いちゴルアプローチ3点セットの1つ目は、足踏み連続3球打ちです。こちらはアプローチの基礎の3つのポイント(振り子の3要素)のうち、①左右対称性や②左右一定のリズムを身に着ける上で効果的な練習方法になります。

≪練習方法≫

①肩幅くらいのスタンスをとる。ボールから離れて立つ。

②バックスイングをし始めたら左足を軽く宙にあげて、踏み込む準備をします。

③左足を地面に踏み込んだ際、つられてくるようにダウンスイング~フォローまでスイング

④スイングがフォローに入ったら、今度は右足を上げる

⑤右足を地面に踏み込むことをきっかけに、つられてくるようにクラブが戻されてバックスイングを取る形になる。
⑥①~⑤をその場で繰り返し、足踏みのリズムに合わせて、スムーズにクラブのスイングの往復ともに、クラブヘッドで地面を軽くこすれる様なスイングを心がける。

⑦ある程度安定して地面をこすれる様になったら、前に(ボールの方向に)進んでいき、リズムよくボールを捉えていく。

歩きながら振る、という動作はアプローチに限らずショットでも重要な感覚になります(☞【上達マップ03】)。

慣れないうちは歩きながら振ることが難しいことのように感じるかもしれませんが、「歩きながら振ったほうがなんだか振りやすい」というくらいに感じ取れるようになれば、スイングのリズムが適切に整っている可能性が高いです。

右片手アプローチ

次に右片手アプローチ。
これは極めて古典的な練習方法ですが、その効果は絶大だと思っています。
ゴルフのレッスン書では、中上級者用の練習方法として紹介されることもありますが、初心者のうちから、どんどん取り組んでもらいたい練習方法だといちゴルでは考えています。
いちゴルレッスンでは、ケースバイケースではありますが、それでも遅くとも3回以内のレッスンで、こちらの練習方法を紹介しています。
受講者の感想としては、「片手で打った後両手で打つととても打ちやすい!」という感想をよくいただきます。

≪練習方法≫

・クラブは右片手だけで握るため、通常のグリップよりもやや短めに握ります。

・ここでも【上達マップ10】アプローチの基礎で説明した振り子の3要素、すなわち①左右対称の振り幅、②左右に同じリズム、③フィニッシュは無理なく静止、を意識してスイングします。

この練習方法は、片手であるがゆえに非常に不安定なスイングになりますが、この打ち方で上手に打つためには、腕力に頼るのではなく、できる限り振り子の原理を利用してスイングすることが求められます。

どのように振れば再現性高く確実にボールを捉えられるか、ということを意識して反復練習する中でコツをつかんでいただければと思います。

左片手アプローチ

右片手アプローチの次は左片手にチャレンジです。
こちらは、(右利きの方にとっては)右片手アプローチよりも一段と難しく感じられるかと思います。最初はできなくても構いません。チャレンジすることに意義があるドリル。

≪練習方法≫

・クラブは左片手だけで握るため、通常のグリップよりもやや短めになるところで握ります。

・また右片手と同様、「振り子の3要素」を意識してスイングします
(右利きの場合)利き腕ではない方の左手は、右手ほど器用に動かせません。この動かしずらい腕を何とか動かそうとするため、右片手のときよりも、一層腕や手を使ってスイングしがちです。

以下の点を意識すると比較的打ちやすいかと思います。
❶バックスイング時にフェースは開かない。バックスイング時にフェースが開いてしまうと、クラブの構造上(重心の関係で)、ダフり方向の影響が出ます。また、それを怖がると今度はトップしたりもします。ですので、バックスイングの時は、クラブのフェースを開きすぎないように行うと上手にボールを捉えられる可能性は高まります。
❷グリップエンドは自分側を向いている左手だけで振るときは、前述の通り、腕や手だけで振ってしまうことが多いので、そうならないためにグリップエンドの向きに注意するとよいことがあります。スイング中、グリップエンドが自分の体の中心を向いている状態を保つとスムーズなスイングが実現しやすいです。(ただし、手首をこねるような動きはNGです)
❸素振りで、バックスイングをして、トップの位置から、左側に振るときに「左手の親指をグリップから離して」スイングしてみる。これをすると、クラブの重みで「自然と腕が旋回する」感覚があれば、それが正しい動きです。(もしくは上の「グリップエンドは自分側を向いている」という意味が分かるかもしれません)


ボールを打つ時のそのような腕の自然な動きが出るように振れるとよいかと思います。

まとめ

以上、いちゴルアプローチ3点セットを紹介してきました。最後に、上達マップや「振り子の3要素」との関係を整理しておきます。


①の連続足踏み3球打ちについては、足踏みに合わせたスイングをすることから、アプローチの3つのポイント(振り子の3要素)でいうところの、「②リズムは左右一定」が自然と実現しやすく、そうなればこれまた自然とアプローチのポイント「①左右対象の振り幅」となる、効果的なドリルだと考えています。

②③の左右片手アプローチは、主にクラブヘッドの重みを利用して振る感覚(すなわち遠心力を活用した振り方)を体得する方法として有効だと考えています。


また、両手で振るときは、クラブを小手先で動かせるため、ボールに運良く上手く当たる場合もあり、それ故に、ナイススイングの結果上手くいったのか、それともたまたまなのかが判別しづらいという問題があります。

この点、片手で打つ場合は、その様なごまかしが効かないため、理にかなったスイングをしないとうまく当たらないことが多くなります。

また、最初はうまく当たらないかもしれませんが、片手であるが故に否応なしに遠心力に頼らざるを得ないことから、片手で振った後に両手で振ると、その遠心力効果を体感することができると思います。


特に②や③は古典的な練習方法ですし、また、③についてもたまにYouTubeやInstagramをはじめとしたSNSで紹介されているので、読者の皆さんもどこかで見たり聞いたりしたことがあるかもしれません。

ですが、YouTubeなどのSNSでは、ゴルフレッスンに関する大量の情報が飛び交い、何が重要かがわからなくなりがちです。いちゴルが強調したいのは、この3つのドリルにアプローチの基礎はほとんど詰まっている、ということです。

ランニングアプローチやピッチエンドランなどの出球の高さを調整する技術やこれらを身に着けた上でラウンドでの経験が当然必要になってきますが、それらは木の幹の部分を身に着けたうえで取り組むべきものだと考えています。

◆補足~距離感について

アプローチについては理にかなったスイングを身につけた上で、様々な状況で距離感を磨いていくことが必要です。
この距離感については、上達マップにおいては、ゴルフというスポーツの本質①「ゴルフはボールをコントロールするスポーツ」に含まれる内容となります。

以下投稿をご参考にしてください!


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