【ゴルフ上達Tips集#06】ゴルフ上達のための自主練のデザインの仕方②~心得と目的意識
ゴルフ上達のための効率的練習方法を考えるために、前回は一般的な練習方法の3類型(ナイスショット追求型、苦手クラブ撲滅型、スイング改造型)について紹介しました。
すでに述べた通りこれらは必ずしも「常に悪いコト」というわけではないですが、いちごるでは「ベースとすべき練習姿勢ではない」と考えています。
例えば、「ナイスショットを追求しすぎるのは良くない」というのは、あくまでも「ナイスショットを目的化」することが良くないということで、「ナイススイングを意識しても、ミスしか出ない。でもそれでいいんだ!」とはならないです。
「ナイススイングの結果としてナイスショットは出る」はずなので、そういう意味では「ナイスショットになっているコト」は大切なコトでもあります。
この微妙な違いを理解するのは、最初は難しいかもしれませんが、上達のための正しいプロセスを理解できると、1時間の練習の質が変わってきます。
そして、質にこだわって練習を続けることで、上達のための理にかなった思考が習慣化されます。
その思考の習慣はすなわち、ゴルフ場でプレーするときにもそのまま役に立ち、「ラウンドで練習通りにいかない!」を、着実に克服できるようになっていくはずです。
今回は、そのための「練習の心得と2つの目的意識」について紹介していきます。
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練習の心得と2つの目的意識
さて、早速ですが。「上達のための練習方法をまとめてください」と言われればこうなります。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、これはほぼ「いちごる上達マップそのもの」なのです。
以下、これまで伝えてきたこととかなり重複しますが、「どのように自主練をデザインするか」や「一般的な練習方法との着眼点の違い」に絡めて説明していきます。
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《練習(スイング)の心得》について
まずは、練習の心得について2つのポイントをお伝えします。どのような練習をするにしろ(もしくはラウンドでボールを打つときも同じ)、以下の2点を常に頭の片隅に置いておくことが重要です。
「ナイスショットよりもナイススイングを!」
(そのためにも)「ナチュラルで気持ちの良い/心地の良いスイングを心がける!」
一般アマチュアゴルファーは、程度の差はあれ、「ナイスショット追求型(まっすぐ飛ばそうとばかりする)」の練習をしてしまいます。
ナイスショットをしようとしてそれができるならば、ゴルフは難しくないはず。
それが出来ない理由は、「ナイスショットを打ちたい!」という気持ちが先行しすぎて、それを生み出すプロセス(ナイススイングすること)が疎かになっているからです。
(「ナイスショットはあくまでも、ナイススイングの結果である」)
また、「ナチュラルで気持ち良いスイング」も同様に重要です。
ミスショットの原因をスイングにあると考える方には、今度は第2の罠である「スイング改造型」の落とし穴にはまってしまいます。
スイング改造型の練習の問題点は、「(体の一部)を(このように動かして)スイングしよう!」という練習になりがちです。
例)プロはインパクトの時に右足はべた足で打っている➡「右カカト」を「インパクトするまで地面につけたまま」スイングしよう、など
ですが、これはいちごる的にはあまりお勧めしていません。
それは、ゴルフスイングは本来ナチュラルで気持ちの良いものであり、「気持ちよく振れない要因」を取り除いていくことが、スイングを整える上で重要だからです。
この点、「何かを意識してスイングする」ことは、気持ちよく振れない原因を作ってしまっている状態です。 (以上は、別途【ゴルフ上達Tips集04】「スイングの細分化の罠」で詳細を記載していますので、必要に応じてご覧ください。)
次に、練習の2つの目的意識に進みますが、どちらの目的をもって練習をするにせよ、ひとたびスイングをするときは、この≪心得≫は忘れないようにすることが、とても大切だと考えています。
これらに関連する投稿は以下で紹介しております。まだご覧になられていない方は、ぜひLINKを進んでご確認頂ければと思います。
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練習の2つの目的意識
さて、2.で記載した通りの≪練習(スイング)の心得≫を手に、実際の練習を進めていきます。
ここでは、詳細で具体的な練習の段取り(最初にどのクラブでなんの練習をするか)については、いったん脇において、ゴルフの練習をする上では、「2つの目的意識を明確に分けて、どちらの練習に重きを置くか」という点の重要性をお伝えします。
その2つの目的とは、
①「スイング」の本質を意識した練習か
②「ゲーム」の本質を意識した練習か
ということが出来ます。
<一般的な練習方法の隠れた問題点~そもそも2つの目的意識が明確ではない>
ここで、改めて一般的な練習方法の問題点について考えてみます。
【Tips集05】では言及しませんでしたが、そこで取り上げた一般的練習方法の3類型を、さらに一歩引いて考えると、次の隠れた問題点が浮き彫りになります。
それは、3類型(ナイスショット追求型、苦手クラブ撲滅型、スイング改造型)は、「スイングやショットをどうするか」という観点の中での分類であるという点です。
言い換えると、この練習をする限りでは、「ゲーム」の本質が意識されることなく、練習が繰り返されることになります。
確かに、人によっては、「明日のラウンドのホールレイアウトを見ながら、実践を想定して練習しよう!」という方もいらっしゃるかもしれません。 ただ、これだけではまだ不十分だと、いちごるでは考えています。
なぜなら、ホールレイアウトを見て、練習をしていたとしても、
例えば、
「2打目を想定して、残り200ydだな。5wのフルショットの距離だから、一発勝負で打ってみよう。」
「(ナイスショットだったら…)よしよし、今日は調子が良いぞ、明日も楽しみだ」➡ナイスショットだからよし=ナイスショット追求型
「(ミスショットだったら…)いかんいかん、もっとまっすぐに飛ばせるようにならなくては(➡ナイスショット追求型)。あとで徹底的に練習をして万全を期すようにしよう(苦手クラブ撲滅型、もしくはスイング改造型)」
といった練習をしているのであれば、これは一般的練習方法の3類型の範疇であることに変わりはありません。
2つの目的意識の使い分け
なので、練習をするうえでは、スイングを整えるのか、ラウンドを想定した実践練習をするのか、という点を明確に分けて考える必要があります。
これらはどちらが重要というわけではなく、たとえば「明日が楽しみなラウンド!」という場合は「ゲーム」の本質に重きを置くべきだし、しばらくラウンドがない状況であれば、スイングのクオリティを上げて、より確実にボールをミート出来るような練習を進めていく必要があります。
①スイングを整える~ゴルフスイングの本質に軸足をおいた練習
スイングの本質のキーワードは、「遠心力の活用」「歩きながら振るかのようなスイング」です。
これらのスイングの習得をする上では、どちらかというと「フルショット」の練習の方が効果的な場合が多いです。 そのため、いったんはフルショットを前提に、以下の練習をメインにするとよいでしょう。
なお、番手は9アイアンくらいから始めることがおススメです。
3連続素振り→実際に打つ
ロープ連続素振り→3連続素振り→実際に打つ
つまみグリップ
右手離しスイング
また、これらに左右足開きスイングを組み合わせると効果的です。
練習の時の注意点
《練習(スイング)の心得》に記載の通り、ナイスショットを目指さず、とにかく、歩きながら振るかのように、遠心力を感じ取れるように、「気持ちよくスイングする」ことを心がけましょう。
多少左右に散ったり、トップ、ダフリが出ることもあるでしょう。
でもそれは、「意識して直す」ものではありません。
出来る限りスイング中に意識するポイントを削減し、気持ちよくスイングした時に「自分の最も良いスイング(最善のスイング)」が実現すると考えてください。(実際そうだと思っています)
その「現時点の最善のスイング」はまだまだ「最高のスイング」ではないがために、ミスショットが出ているだけです。
「最善スイング」のクオリティを上げ、「最高スイング」に近づける方法は、「最善スイングを反復する」ことが大切だと思っています。
最善スイングをするための、1つか2つしかない具体的なポイントは、こちらに投稿しておりますので、参考にしてみてください!
②ラウンドに備える~ゲームの本質に軸足をおいた練習
次に、「明日がラウンド!だから練習しよう!」となった場合には、どのような練習をすべきでしょうか。ここでも、いちごる上達マップで学んできたことをそのまま活かすことができます。
◆ゴルフ「ゲーム」の本質の再確認
まずは「ゲーム」の本質の再確認です。ゲームの本質は2つです。
①ゴルフはボールを飛ばすスポーツではなく、「コントロール」するスポーツ➡ボールをコントロールするためには、その「スイングをコントロール」する必要がある
②ゴルフは、ボールの置かれた状況や、コース内の罠などを考慮して「リスクをコントロール」するスポーツ
このうち、②はラウンド特有の要素が大きいので、ラウンド前に練習で実践できることのメインは「スイングコントロール」になります。
スイングコントロール~2つの観点
スイングコントロールとしては、2つの観点があれば十分だと思います。そして、これもすでに上達マップで学習済みの内容です。
❶振り幅のコントロール~主に距離をコントロール
❷スイングの最下点のコントロール~バンカーや傾斜の対応
❶については同じPWで練習するにしても、フルショットの120ydばかりを練習するのではなく、110ydや100ydの距離を打つ練習をすることが大切になってきます。
❷については、バンカーや傾斜地(特につま先上がり/下がり)でのスイングなど、通常の練習では意識が及ばないところの技術が改めて重要になってくるからです。
これらに対応する練習としては、ティアップしたボールを打つ、バランスディスク上の不安定な場所からスイングする練習をするなど。
これらの練習を日ごろから取り入れていくことは、皆さんの思っている以上に重要なことです。
ニュートラルな練習環境でスイング作りをすることは、確かに大事ですが、それだけだと、ラウンドで求められる技術が向上しないばかりか、「練習場でナイスショットができる」=「ラウンドでスコアが良くなる」という誤解を強化するおそれがあります。
特に❷の練習をすると、いつもよりミスが大きくなると思います。
ですが、その「実践的な状況でのミスの程度を把握すること」や「実践的な状況で、ミスを最小限にする工夫」を練習場で体験しておくことにこそ意味があるのです。
バランスディスクなどの上の不安定な状況で、フェアウェイウッドをキチっと打てる人は、初中級者にとってはまれです。(自分の技術レベルを知る)
であれば、ラウンドでも、少しでも傾斜がかかっている場合では、フェアウェイウッドを持つと大たたきにつながる可能性があるため、それを「選ばない」という判断が出来るようになります(これがリスクコントロール)
また、大きなミスをしないように振るためには、「フルショット」ではなく、「コントロールショット(=スイングコントロール)」をした方が安全だということが理解できればしめたものです。
そうなれば、ラウンド前のコントロールショットの確認が重要だと実感でき、その練習の意味を深く理解して、質の高い練習が出来るようになります。
2つの目的意識の配分
以上の2つの目的意識があることを理解して、それぞれの状況に応じて比重を変えていけばよいかと思います。初心者の方がスイングを整える練習を多くした方がよいことも多いですし、ラウンドが差し迫っていたらそれに備える練習の比率が高い方がよいと思います。ただ、どちらも少なからず、1回の練習で取り組んでみることが、ゴルフ全体を整えていく上では重要なのではないかと考えています。
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おわりに
「明日のラウンドではちゃんとまっすぐ飛ぶように」というナイスショットのための練習が多かった方にとっては、上述した内容は「レベルの高い」話に聞こえるかもしれません。
ですが、いちごるでは、レベルを問わず、上述のような観点で練習をデザインしていくことが大切だと考えています。
「私はまだちゃんと前に飛ばないから」という方はは確かにスイングを整える練習も必要になってきます。 ですが、それは一朝一夕には実現しないことも事実です。
明日のラウンドで出来ることは、ナイスショットよりもナイススイングを心がけることですし、そのためには、細かいことは忘れて、とにかく気持ちよくスイングすることことしかできません。
翌日のラウンドとは状況が異なる練習場で、「ボールに当てる」練習をする意味は、翌日のための練習としては、効果はあまり高くありません。
まだ、完璧では出来ないかもしれないけれど、コントロールショットを意識した練習をする方が、よほどスイング作りにいても、翌日のラウンドのためにも良いことだと思います。
また、中級者にとっては、ティアップしたボールを打ったり、バランスディスク上からウェアウェイウッドを打ってみることの、リスクの高さを伸長に判断する練習になると思います。
多くの方は、練習ではナイスショットを目指しすぎて、苦しんでいます。
また、ラウンドでは、ナイスショットを前提としたゴルフをしてしまい、自らゴルフを難しくしています。
ゴルフ上達マップに記載の2×2の本質の観点でゴルフをとらえていくことが出来れば、もっと楽しく、もっと上手なゴルフが実現するのではないか、と考えています。
そのために必要なことが、2×2の本質に軸足をおいた「動きと思考の習慣作り」であり、それを作っていくための自主練のヒントが、今回の内容なのだと思っています。
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