【ゴルフ上達Tips集#07】アプローチの「攻め方」の基本
ゴルフ上達のための木の幹の部分に当たる「ゴルフ上達マップ」をベースに、さらなるレベルアップのためのヒントを集めた「ゴルフ上達Tips集」シリーズ。
7回目の今回は、「アプローチの攻め方の基本」について。
今回の内容は、ゴルフ上達マップに照らすとゴルフ「ゲーム」の本質に関連します。
アプローチの基本は?と聞いたとき、もしかしたらその回答は「振り子のように振ることだ!」であったり、「ランニングアプローチだ!」という答えが返ってくるかもしれません。
いちごる的には、どちらも正しいと考えています。
アプローチの基本は何か?という問いに対する答えは、振り方について答えるのか、攻め方について答えるのかという点で、1つには定まらないからです。
今回の内容を読み終えた時、あの「世界のアオキ」こと、レジェンド・青木功プロの「ゴルフはゴロフ」と言った趣旨がわかると思います!
《コンテンツ概要》
・アプローチの基本は「振り方」と「攻め方」に分けて考える必要がある
・アプローチにおける「リスク」を考えた場合、「ランニングアプローチ」が攻め方の基本である
・アプローチの攻め方の基本(ランニングアプローチ)が軽視されがちな要因(ゴルフ上達を阻む「常識」の一例として)
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Contents
アプローチの「振り方」の基本と「攻め方」の基本~ゴルフ上達マップでの位置付け
さて、今回は「アプローチ」の基本がテーマです。
「アプローチの基本は?」とだけ聞かれると、いちごる的には1つには絞れません。
それは、アプローチの基本には、「振り方」の観点と「攻め方」の観点の2つの側面から答える必要があるからです。
「振り方」の基本は、すでにゴルフ上達マップで取り扱っております。
それは、「振り子の3要素」の備わったスイングが、アプローチのスイングの観点で重要なポイント(=基本)でした。(詳細は「【上達マップ10】アプローチの基礎(☞LINK)」参照)
今回は、アプローチの「攻め方」の観点でご説明します。
その内容の、ゴルフ上達マップ上の位置付けは、ゴルフ「ゲーム」の本質②すなわち、ゴルフは「リスクをコントロールする」スポーツである点と関係してきます。
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アプローチは「転がし」が基本~ランニングアプローチの重要性
「アプローチは転がしが基本」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
これについてはいちごるレッスンでも、まさに同意見で、上記との関連で補足するならば、「攻め方に関して大事なのは、転がして寄せていくこと」といえます。
以下のGridgeの記事によると、かの「世界のアオキ」こと、青木功プロもゲーム中のアプローチにおいては、「パターが使えないか?」ということをまず第一に考えたそうです。
https://gridge.info/articles/9773
こちらの記事では、プロでもアプローチでパターを使う理由、距離感の観点から説明されていますので、参考になる部分も多いかと思います。
今回の投稿では、上記Gridgeの記事とやや重複する部分もありますが、「リスクコントロール」という観点に焦点を当てて紹介します。
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アプローチをするときの「リスク」とは~ボールの状況とスキル
【上達マップ22】ゴルフ「ゲーム」の本質②(☞LINK) として、ゴルフは「リスクをコントロールする」スポーツという点を紹介しました。
この「リスクコントロール」の観点こそが、ゴルフの奥深さを物語る一 つの要素ですが、上達マップシリーズでは、あくまでも、その「概要」しか紹介できていませんでした。
「アプローチの攻め方の基本=ランニングアプローチ」は、まさにこのゴルフ「ゲーム」の本質②の具体的な適用例の1つなのです。
それでは、初中級者がアプローチをする上での「リスク」は何でしょうか。
そのリスクには、初中級者ゴルファーのアプローチでの「技術レベル」や「ライの状況」が関連してきます。
プロや上級者と比べて、初中級者ゴルファーのアプローチ技術は劣るのは当然です。
分かりやすいミスでいうと「トップ」や「ダフリ」リスクがあるということです。これは別の表現でいえば、「スイングの最下点が不安定だ」ということができます。
一方で、110を切ったことのない初心者ゴルファーと、ベストが80台という中級者ゴルファーのアプローチ技術も同じではありません。
ただ、いずれにしても初中級者ゴルファーは、常に70台でラウンドする上級者ゴルファーやツアープロ(この間にも当然技術レベルの隔たりはありますが)と比べると、スイングの最下点は不安定といえます。
この時、追加的に考えなければならないのは、「ライの状況」があります。春先の「芝が薄い」状況では、地面とボールの間の空隙が少なく、少しダフるだけでも大きなミスにつながることがあります。同じライでも、プロがウェッジを使用しているのを中級者ゴルファーが真似て同じようなやり方をやるのは、「リスクコントロール」の観点からは望ましくありません。
要は、
グリーン周りの攻め方=ライの状況によるスイングの最下点のブレの許容範囲×プレーヤー自身の技術レベル(スイングの最下点の安定度)
という形で、攻め方は変わるということが言えます。
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かくて、アプローチの基本は「転がし」
この【ライの状況×プレーヤーのスキル】によってアプローチの方法は変わりますが、青木プロが「ゴルフはゴロフ」という通り、「基本はランニングアプローチ」ということの理解は重要です。
「基本はランニングアプローチ」というのは、状況が許せば、ランニングアプローチをまず選択すべきだということです。
例えば、ボールからグリーンエッジまで5yd、エッジからピンまで20ydの状況では、ピッチエンドラン、ロブショットではなく、ランニングアプローチ(場合によってはパター)を選択すべき、ということになります。
その理由は、スイングスピードが最下点のブレに与える影響から理解できます。
上の、エッジまで5yd、そこからピンまで20ydという状況では、アプローチ方法の違いにより、以下の通り寄せ方が変わります。
①ランニングアプローチ➡6ydキャリーさせて、19yd転がす
②ピッチエンドラン➡12ydキャリーさせて、13yd転がす
③ロブショット➡20ydキャリーさせて、5yd転がす
ここでスイング幅やそれに伴うスイングスピードは、①から③にかけてスイング幅が大きく、スイングスピードは速くなっていきます。きっちしボールにコンタクトできるスイングができれば、どの方法でも結果は変わらないかもしれませんが、初中級者のスイングの最下点の安定度がそれほど高くないことを踏まえれば、結果は大きく変わってきます。
③のアプローチを選択すると、少しでもトップすればボールは強く低く飛んでいき、とんでもないほどボールは先に行ってしまいます。
また、逆にダフると、やはり地面にバンスが跳ねてトップと同じ現象になるか(もしくは芝に食われて少ししか飛ばない)、ラフに浮いた状況からだと、だるま落としのようになって、大きく距離を落とします。
いずれにしても、スイングの最下点のブレが結果に与える影響が大きくなります。
この点、ランニングアプローチはスイング幅が小さく、スイングスピードも落ちるので、パターに近いスイングになり、使用しているクラブのロフトも立っている関係から、スイングの最下点のブレの影響は③と比べると小さくなります。
要は、ミスショットをした時の影響(リスク)が小さいのがランニングアプローチなのです。
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なぜランニングアプローチは流行らないか。
そもそも、このアプローチの基本が「ランニングアプローチ」であることは、真新しい事実ではなく、ウェブサイトやYouTubeで検索するといくつも出てくる、「昔ながらの教え」です。
ですが、僕が見回した限りでは、この基本を踏襲したうえでラウンドをされている方はそう多くはない、と思われます。たとえ、「ランニングアプローチ」という技術を知っている人でさえ、その「知識」を十分に活用できていないように見受けられます。
要は、ラウンド中の多くの状況でランニングアプローチがスコアをまとめる上で有用なのにもかかわらず、それがないがしろにされている(もしくはその有用性が理解されていない)様に感じられ、思ったほど「流行っていない」と感じます。
この要因にはどのようなことが挙げられるか、ここでまとめたいと思います。
また、これは「アプローチに関する考察」ではあるものの、一般アマチュアゴルファーが、どのようにゴルフをすれば上達が効率的か、というヒントにもなると思っています。
❶多くの情報が氾濫してその重要性が認識できない
まず第一に情報が氾濫していることが挙げられます。
例えば、試しに人気のゴルフレッスン系YouTubeチャンネルで配信されている動画本数を見てみると、軽く1,000本の動画が配信されています。
1000本の動画があると、重要なことと重要でないことが混在してくる可能性が高いです。(同じことを繰り返し伝えている場合は、この限りではないですが)
こうなると、「見る側」が情報を選ばないといけなくなりますが、果たして1,000本の動画の中から、ランニングアプローチの重要性を識別できるかというと、かなり難しいように思われます。
また、そもそも「振り方の基本」なしに、「攻め方の基本(ランニングアプローチ)」は語られないはずですが、それを順序良く選び取ることは、さらに困難です。
❷プロの真似をしようとする
次に、ゴルフスキルの情報源としてあり得るのものに、プロのトーナメント中継があります。
ですが、これは試合中起こりうる様々な状況が含まれてきますので、アプローチ一つとっても、いろいろな方法が情報として入ってきます。
さらに、プロは高い技術があるからこそ行っている方法(例えば、ロブショット)であるにもかかわらず、それを考慮に入れずに安易に真似をしようとしてしまう恐れが出てきます。
プロは、そのショットをするリスクを踏まえたうえで、時に一か八かの勝負に出る必要があります。
特に、バーディチャンスにつけるためグリーンの端に切られた難しいピン位置に果敢に攻めた結果のアプローチは、得てして難しい状況が多いモノです。
中継で目にするのは、多くは優勝争いのかかったシーンであることから、「テレビでよく見るアプローチ」はむしろ、「特殊なアプローチ」と考えるべきだと思っています。
一方の一般アマチュアゴルファーは、状況に応じたリスクを判断することなく「プロのようなアプローチ」をする傾向があります。
中には、その状況だとプロでも選択しないような「危ない方法」でアプローチをして、結果的にストロークを積み上げてしまっていることも多いと考えられます。
➌それでも上達した人が結構多い
ただ、必ずしも適切なマネジメントではなくても、「鬼のように練習」したり、「センスが抜群にある」人は、キャリア数年でシングルの仲間入りをするかもしれません。
また、そうでなくとも、ゴルフ歴とともに、スコアも100切り、90切りとなるかもしれません。
この時、そういった方々とのラウンドが「初中級者の鏡」となり、同じ上達経路をたどることが多いです。
もし、適切なマネジメントが身に付いている人が周りにいれば、
「○○さん、この状況は××のリスクがあるから、上級者ならAという方法で寄せることもあり得るけれど、初心者のうちはパターで転がした方がいいね」
というアドバイスをもらえるかもしれませんが、
ですが実際には、
「○○さん、アプローチはPWをもって、ピッチエンドランで打つのが基本!」
と、状況判断や技術レベルを抜きにしたアドバイスになりがちです(なぜなら本人自身がそれで上達してきたから)
❹周りでやっている人が少ないからイメージが湧かない
最後に残る難しい問題は、「見本が少ない」ということです。
同じ組で回る人は、必ずしも自分と同じ技術レベルとは限らないので、例えば「グリーン外からパターで攻める」という方法が最善の選択だとしても、それをやっている人を見たことがなければ、そもそもイメージが湧きません。
こうなると、どのようにそれを実践したらいいかが覚えられない、ということになります。
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おわりに
以上の通り、今回はアプローチの攻め方の基本として、ランニングアプローチを紹介しました。
僕の印象では、一般アマチュアゴルファーのアプローチは、「リスクが大きく実りの少ない」方法を取る傾向にあります。その要因は、多くの人が「転がして寄せることのメリット」を、覚えることなく上達してしまっていることに要因があるように思います。
「転がしのメリット」をまだ理解していない場合は、まずはそれを理解し、「転がす方法」というコースマネジメントをしていく上での「重要な引き出し」をまずはキチっと作成する必要があります。
その引き出しを作るときに注意して欲しいのが、ハシゴを外すようですが「転がしたからと言って必ずしも寄るわけではない」ということです。
ゴルフのスキル習得に際しての全般的な注意点でもありますが、「それをやるだけで、100%問題解決」というスキルはありません。
合理的な方法をとっても、それ自体が最初は不慣れなこと等の理由により、「失敗する」こともあります。ですが、再現性や確実性という意味では、合理的な方法がやはり望ましいことが多く、だからこそ、一定期間徹底的にランニングアプローチにこだわってほしいと思います。(そうすることで、「確率的にやはりランニングアプローチが安全」ということが理解できる)
なのでたとえば、「引き出し作り」と割り切って、「ショートコースでグリーン周り10メートル以内は必ずパター」などで練習してみるのも良いかもしれません。
整理された引き出しは、思った以上に役に立ちます。それがたとえ、上級者のレベルになろうとも、状況によってはこの「転がし」に救われることもあるかもしれません。
今回の内容が、その「ラウンドで役に立つ引き出し作り」の一助となれば幸いですね。
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