【ゴルフ上達Tips集#05】ゴルフ上達のための自主練のデザインの仕方①~一般的なゴルフの練習方法の3類型
ゴルフ上達Tips集その5は「どのような練習をすると上達の近道か」ということについて。
いちごるレッスンで受講生に伝えている内容を公開した「ゴルフ上達マップ」。
この中には、ゴルフ上達のために必要な考え方と練習方法で、特に重要なものを紹介しています。
これらをもとに、「じゃあ、自主練『全体』を、どのようにデザインしていけばよいのか」について紹介したいと思います。
状況に応じて効果的に「自主練メニューをデザイン」出来るようになれば、上達街道を駆け抜けていけると思います!
今回は、現状の「一般的なゴルフの練習」の問題点について、過去の自分の練習の取り組み方の反省を踏まえて、考えてみたいと思います。
※いちゴル上達Tips集シリーズは【いちゴル上達マップ(全35回)】の内容をベースとしています。上達マップシリーズをご覧になられていない方はまずはそちらから理解・実践していくことが効果的です!
Contents
自分自身の反省もこめた、一般的なゴルフの練習~いちごる的観点に照らした考察
自分がゴルフを始めた当初の記憶をさかのぼっても、ゴルフ練習場で一般的に見かける練習方法をまとめると以下のような感じではないでしょうか。
≪一般的なゴルフの練習の問題点≫
① ナイスショットばかりを追い求めているもしくは、ボールがどのように飛んだか? を便りにスイングの良し悪し、改善点を判断している。
② 「ドライバーが課題」 など、苦手なクラブを克服するような練習を心がけている
③ トップの位置を気にしたり、カット軌道を直そうとしたり、ハンドファーストで打とうとする
特に誰もが、「今のボールは真っすぐ飛んだ!しかも振りやすく、なんだか新しい感覚があった」ということをヒントに、「今の打ち方を、体に覚えさせよう!」とした練習をしていることが多いと思われます。
①~③の練習は、一見すると何の問題もなさそうな練習方法に思われるかもしれませんが、僕自身の経験を言えば、このような練習を10年以上続けていましたが、満足のいく成果は上げられませんでした。これらの練習で僕が成果を上げられなかった要因について、「ゴルフ上達マップ」「ゴルフ上達Tips集」との関連で掘り下げてみたいと思います。
①ナイスショットばかりを求める(スライス、トップ、などミスショットを撲滅しようとする)、もしくはミスショットを分析して改善点を判断する。
これは、ゴルフ上達マップ04で紹介した内容と関連します。
そこで伝えた重要なメッセージの一つは、「ナイスショットよりもナイススイングを!」ということでしたが、まさにその通りなのです。
ナイスショットは、「それを目指して打つ」ものではなく、「ナイススイングをした結果」にすぎません。だから、本来は、「スライスの直し方」もなければ「ダフりをなくす打ち方」も存在しません。
「”スライスの直し方”なる方法を試したところ、右に曲がるボールはなくなったけど、今度は逆に”左に大きくひっかけるミス”が出るようになった。」
という経験をした人は案外多いのではないでしょうか。
このように、ナイスショットと比較したときに名前が与えられるミス(大きくは、トップ、ダフリ、スライス、フック)を個別に解決することはできません。(そうしようとしても、別の問題が出現することが多いです)
また例えば、今日は「左手の甲を、ボールにぶつける意識で打ったらいい当たりが出た」といった、
「○○を意識してみたら、ナイスショットだった」⇒「○○の意識」を「無意識」に出来るまで反復練習しようといった、アプローチをとってしまうことも多いです。
ここも、ゴルフ上達マップ04と関連しますが、本来ゴルフスイングは「ナチュラルで気持ち良い」スイングなはずです。
特別な意識をするのではなく、どちらかというと出来る限り無心でスイングした時にこそ、良い動きがスイングに備わっていきます。
○○を意識して打って、仮にその日は毎回ボールがまっすぐ飛んだとしても、それが永続しない場合は、けっきょくはその「○○の意識(や動き)」はスイングの本質的な要素ではなかったことになります。
なお、スイングの本質的な要素は、ゴルフ上達マップの以下の投稿を再度ご確認いただければと思います。
《スイングの本質的要素》
ゴルフ上達マップ02「遠心力と地面からのエネルギー」
ゴルフ上達マップ03「歩きながら振るかのようなスイング」
《本質的要素を身につけるための練習》
ゴルフ上達マップ05「いちごる練習ドリルの概要」
②「ドライバーが課題」など特定のクラブの弱点を克服する練習している
「昨日のラウンドでは1打目のドライバーでOB が3回あって、結果103。ドライバーさえよければ…」
という、ラウンドの自己分析をもとに、「よし、じゃあ、ドライバーを特訓しよう! 」そう考えたことのある方も多いのではないでしょうか。
ただ、いちごる的には「( 極論すれば)番手別に打ち方がある」ものではないので、「特定のクラブが打てない」は本来存在しないはずだと考えています。
一般的な傾向として、ドライバーやフェアウェイウッドなど、長いクラブの方が難しいのは事実としてあるとは思いますが、それは以下の理由によります。
①に記載した通り、ゴルフは「スイングの本質的な要素」を押さえれば、基本的に大きなミスは出なくなっていきます。「ドライバーなどの長いクラブが難しい」と感じるのは、「理にかなったスイング」が少しでも歪んだ時に、その影響が出やすいのが長いクラブの方だからです。
もう少し踏み込んで言うと、スイングの本質的な要素の一つである「遠心力」は、ヘッドの先端に重みを感じやすいショートアイアンの方が、( 特に初中級者にとっては)実現しやすく、ドライバーはそれとは反対に、「遠心力を活用したスイングを しづらい」から、難しく感じるのです。
逆に言うと、ショートアイアンなどについては、多少理にかなっていないスイングをしても、大きなミスとして現れないため、同じスイングレベルのスイングを9アイアンとドライバーで行った結果、「9アイアンは打てるけど、ドライバーは苦手」となります。
しかしながら「スイングの質」という観点ではどちらも同じで、その質を高める練習をする必要があります。そのためには、質の高いスイングが難しいドライバーの特訓をするよりも、「他の方法で質を高めながら、たまにドライバーを持つことで、キチっと振れていそうかを確認する」ということが大切です。
(ドライバーばかり振り続けると、悪い癖がつく可能性が高いですし、そうなると他のクラブのスイングにも影響を与えます)
③トップの位置を気にしたり、カット軌道を直そうとしたり、ハンドファーストで打とうとする(スイングを改造しようとする)
これも、僕自身の経験も記憶があります。
自分の動画を撮影したところ、
「思ったのと全然違った! 」
「トップがシャフトクロスになっているから、もう少し意識してコンパクトなトップを作ってみよう」
(もう一度、動画を取る)
「あれ?思ったほど、トップの位置は変わっていないな。『少し意識する』だけではだめだ。極端に意識をしてみてちょうどいいな! !」
というプロセスで練習を進めてます。
「極端に意識してみる方法」は、③で記載した「ナチュラルで気持ち良いスイング」とは対極にありますし、自分自身のスイングを分析し、「スイング中のある一部分」を個別に分解・修正するのは、上達Tips集04「スイングの細分化の罠」において、「スイング改造」が主目的の練習が、必ずしも十分な成果を上げるわけではない、ということを紹介しております。
また、重要なのは、スイングの本質を押さえることなく、「理想とされる形や動き」を意識的に作り上げたとしても、それは「本物」とは似て非なるもので、見た目ほどには良い結果を生むことはありません。
一般的な練習方法の3類型~まとめ
以上をまとめると、一般的なゴルフスイングのパターンとしては、およそ以下の3類型があるのではないでしょうか。
これらはそれぞれ、必ずしも「常に悪い結果をもたらすもの」ではないです。
それどころか、「センスのある人」であれば、これらの練習でも上達してくことが多いです。
そして、センスがあるからこれらの方法でも上達した「上手な人たち」のアドバイスは、通常①~③のどれか、もしくは組み合わせた練習方法になることが多いです。
その結果、(僕のような)それほどセンスがあるわけではない「一般的なゴルファー」は、「上級者のアドバイス」を有難く受け取り、反復練習にいそしみますが、なかなか上達しない現実に直面させられます。
その時、一般的なゴルファーは「私(僕)はセンスがないんだ。もっと頑張らないと」といって、①~③の練習を繰り返すことになります。
ゴルフ上達過程において、多くの方が「困りごと」を抱えたまま、歩まざるを得ないのは、一見すると間違いではなさそうな練習方法(しかも上手くなる人は事実上手くなっている方法)を繰り返してしまう状況にあるのではないかと思っています。
次回の投稿では、これらとは異なる「いちごる的な練習の考え方」を提案したいと思います。
その内容は、ゴルフの練習方法としては「画期的だ」とは到底思えないものかもしれませんし、事実「その差」はほんの僅かなものです。
ですが、その僅かな差を大切にして習慣化すること。その積み重ねが、やがて大きな変化を生むことになるといちごるでは考えています。
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