【ゴルフ上達Tips集#10】長いクラブの習得方法~注意点と2つのアプローチ
ゴルフ上達のためのヒントを集めたシリーズ「ゴルフ上達Tips集」の10回目。
前回は一般アマチュアゴルファーの基本クラブとして9番アイアンをマスターしましょう、ということを紹介しました。
一方で、多くの方の目標であるアベレージで100切り、90切りくらいを目標とするならば、9番アイアンだけでは心もとなく、なによりも「ゴルフの楽しさ」という点で魅力に欠けてしまいます。
そこで、長いクラブを徐々に習得していく必要がありますが、これを3回に分けて紹介していきます。
今回は3回のうちの最初の総論として、長いクラブの習得する際の一般的な注意点と2つのアプローチ(トップダウン方式とボトムアップ方式)について紹介します。
次回以降で2つのアプローチそれぞれについて各論をお伝えしていきたいと思います。
なお、ゴルフ上達Tips集はゴルフ上達マップシリーズ(全35回)の内容が基礎になっています。まだご覧になられていない方はそちらから読み進む方が上達の近道かと思います。
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番手を上げていくときの全般的な注意点
一般アマチュアゴルファーにとって「長いクラブを振る」時のミスの原因は何でしょうか?アドレス?バックスイング?スウェイ?チキンウィング?
現象面を捉えるといろいろと指摘されそうなポイントがあるのは、一般アマチュアゴルファーなら最初は仕方のないことかもしれません。
ただ、それらの現象面を指摘されたところで、本当の意味でそれが改善されることはあまりないのではないでしょうか。
それは、そもそもそれらを引き起こしている根本原因が他のところにある可能性があるからです。
つまり、ただ単に、
「(いつも以上に)力が入っている」
と言われれば、誰しも心当たりがあるのではないでしょうか。
これは、自分自身の経験を振り返っても、ゴルフのコーチングをするようになってからの経験を踏まえても、その通りだと思っています。
それは言い換えると、長いクラブになるほどに、一般アマチュアゴルファーは「より遠くに飛ばそう! 」という意識が、潜在的(もしくは顕在的)に生じているものと思われます。
この点に関して、上達マップは何を言っているでしょうか。
主には2つかかわってくるポイントがあるかと思います。
まず思い出していただきたいのは、上達マップの屋台骨ともいうべきマインドセットの1つ。
「ナイスショットよりもナイススイングを!」
です。
ゴルフスイングの本質は、クラブの番手によって変わるものではありません。
したがって、基本クラブである9アイアンを振るときも、ドライバーを振るときも、その振り方は本質的に同じです。なので、ドライバーを持った時に「より遠くに!まっすぐに!」は、屋台骨が揺らいでいることに他なりません。今一度、ナイススイングを心して振りましょう!
(なお、「ナイススイングとは?」についての具体的な方法を忘れてしまった方はこちらを再度ご覧ください☞【上達Tips集03】ナイススイングとは)
さらに、多くの方は、次の事実を忘れている(知っているが、打つ瞬間は頭から消えている)可能性が多いです。
長いクラブは「飛ばそう」と思って飛ばすためのクラブではなく、
いつも通り振れば、「結果的に飛ぶ」クラブ
ということを。
これは、ゴルフ「ゲーム」の本質①[ゴルフはボールを「(とにかく)飛ばす」スポーツではなく、ボールを「コントロールする」スポーツ](図中はスポーツの本質①)
ということに関連してきます。
クラブの番手が上がれば、シャフトの長さも長くなり、ロフト角度も立ってきます。ただこの違いだけで、結果的にボールを遠くへ運んでくれる、ということは再認識しておく必要があります。
したがって、番手は変わっても、スイングリズムや振り加減(力の入れ具合)は変わりません。
ドライバー(や長いクラブ)を振るときは、ショートアイアンとリズムが同じか?という点に常に注意してみてください。
(これはショートアイアンのスイングが整っていることが前提です。人によっては、ショートアイアンでもかなり力んでいる可能性があります)
また、この事実を知るために、試しに、(男性の場合)ドライバーで100ydだけ飛ばそうとしてみてください。多くの人が、100ydに抑えようと思っても、100ydどころではなく、150ydくらい(中には200yd近く)飛んでしまうのではないでしょうか。(最初からうまくいくとは限らないですが、慣れてくれば「え!?この程度振っただけでこんなに飛ぶものなのか!!?」という体験をすることになるかと思います)
ドライバー(もしくは長いクラブ)は、それくらい「高機能」なのだということを理解していれば、無用な力みから解放されるのではないでしょうか。
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長いクラブの必要性
また、長いクラブの必要性についてもここで言及しておきます。
結論から言うと、一般的な男性を想定した場合、いちゴル的な目標スコア別の必要な番手は以下の通りです。
・アベレージ100前後のスコア(ベスト100切が目標)→ドライバーと9番アイアン以下
・アベレージ90前後のスコア(ベスト90切が目標) →ドライバーと7番アイアン以下
・アベレージ85前後のスコア(ベスト80切が目標) →ドライバーとUT以下※
※ただし、ティショットに限り5Wなどの使用余地はあり
「 ・・・!!?」
と思われた方も多いのではないでしょうか。
プロのようにアンダーパーを目指さないといけないゴルフと、一般アマチュアゴルファーの当面の目標とするゴルフをするのとでは、必要な番手は大きく異なってきます。
上達Tips集09でも記載しましたが、ここで平均的なレギュラーティのミドルホール350ydを前提に考えてみましょう。
350ydのミドルホール、1打目のドライバーが仮にトップして(普段230yd飛ぶ人が)200ydしか飛びませんでした。
残り150ydですが、レベル別には以下の対応でも、十分に目標が達成できそうです。
・アベレージ100前後を目標とするゴルファーなら迷わず9アイアンで100~120yd運べば、3打目を首尾よくオンできればボギーチャンスを作れます。
・アベレージ90前後を目標とするゴルファーでも、状況によっては9アイアンでOKです。(グリーン周りにバンカーがあれば、無理して7アイアンを握る必要はありませんI)
・アベレージ85前後を目標とする方なら、アイアンでオンを目指す。
この例はドライバーの飛距離が230ydの方が、200ydしか飛ばなかった場合です。
あまりナイスショットだったとは言えない状況でさえ、上記の目標スコア別の必要番手(100切り→9鉄以下など)で十分に満足のいくプレーが出来そうです。
もしもこれが実現できていないのであれば、自分の技術レベルを超える番手を使用し、(しかも「とにかく飛ばそう!」とした結果)リズムを乱し、肝心のショートアイアンでも大きなミスを犯しているか、もしくは100yd以内の距離感、グリーン周りのアプローチ、そしてグリーン上でのパターなど「長いクラブではないところに原因」がありそうです。
以上の通り、「長いクラブの必要性は実は思っている以上に高くない」ということが分かるかと思います。
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長いクラブの習得のための2つのアプローチ
以上の、長いクラブを振れるようになっていくためのマインドセットを前提に、実際に長いクラブをマスターしていくための2つのアプローチについて、その概要を最後に紹介します。
長いクラブの必要性はさほど高くない、とはいえ、9アイアンだけだと(本当は100切りすらできるかもしれませんが)ゴルフとして面白みに欠けます。
ティアップが可能で、ライの影響もほとんど受けないティショットに関しては、長いクラブで150yd以上を確保できると、目標スコアをクリアするのに大変心強いです。
この場合、多くの方は基本クラブである9アイアンよりも長いクラブで振る必要性が生じます。
この1打目の問題(最低でも150yd)をクリアするためにいちゴルでは2つのアプローチを採用しています。
それは、
①トップダウン方式:9アイアンをマスターした後、ドライバーを振る練習をする
②ボトムアップ方式:9アイアンをマスターした後、8アイアン、7アイアンと段階的に振れるクラブを増やしていく
です。
これのうちどちらが良いか、は一概には言えません。
確かに、採用してそれがすぐに身につけられるのであれば、①の方が手っ取り早いのは事実です。
ですが、中には、いきなりドライバーを握るとどうしても力が入ってしまい、ミスが多い方もいらっしゃいます。
そのような方は地道に②の方法で150yd確保できる番手をマスターする方法が良いかと思います。
次回以降では、これらの①②のアプローチをより具体的に解説していきたいと思います。
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おわりに~マインドセットを大切に
以上が、長いクラブを振れるようになっていくための総論でした。もしかしたら、一般的なレッスンとは、大きく異なる内容だったかもしれません。
一般的なレッスンでは、ミスが出ることの原因を技術論に求めるケースが多いです。(ドライバーでスライスするのは、○○の動きが原因、など)
確かにその通りではあるのですが、上述した通り、それを引き起こしているのは、ショートアイアンでは気持ち良いリズムでナイススイングしていた人が、ドライバーを持った瞬間に「別のスイッチ」が入ってしまったかのように、スイングリズムが変わったり、無用な力みを生じたりするところがあるかと思っています。
そのような状態でいくら「○○の動きに注意して」と伝えたところで、効果に限界があると思っています。
仮に、レッスン中に目の前でスイングしてもらう限りは、適切な声掛けもできるので、ナイススイングができたとしても、その根底にある「マインドセット」の変化なしには、自主練やラウンドを繰り返すうちに、スイングが狂ってしまうケースが多いと考えています。
ナイススイングのためのスイング論や、ナイスラウンドのためのゲーム論の前提には、その土台となるべき「マインドセット」があると思っています。
長いクラブをマスターしていくプロセスにおいて、この「マインドセットの大切さ」を学習できると、その他の部分においても良い波及効果があると考えています。
「長いクラブが苦手・・・」は悪いことばかりではありません。
より良いゴルフをしていくために必要な「マインドセットを学ぶチャンス!」ととらえて、前向きにチャレンジしていきましょう!
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